医療従事者としてはもちろん親や家族の視点からも患者さんに寄り添う

4Dエコーで胎児の状態を確認しながら妊婦健診を行う比嘉先生。現在、自身も第2子を妊娠中で、妊婦さんの悩みにも共感することが多い。フレンドリーな対応に妊婦さんもリラックスして思わず笑顔に。

――――1日の主な業務やスケジュールはどのようになっていますか?

比嘉

朝は大体8時半までには出勤し、午前か午後、週に3~4回ぐらい外来を担当して、外来のない日は、初期の子宮がんや帝王切開などの手術が入ります。分娩があったら随時対応するといった感じですね。

宮崎

診療は17時半までで、1か月で大体40~50人の分娩がありますね。

比嘉

私達より我那覇師長の方が忙しいです。

宮崎

そうですよね。看護師であり助産師でもありますから。

我那覇

すべての分娩に私達が入るというわけではなくて、病棟が2つに分かれている病院なので、その全員の中で情報を取りながら業務を調整して、分娩が多いなとか、対応が必要だなという時は、私がリーダーになって分娩係に連絡したりします。

比嘉

入院患者のお世話もありますよね。切迫流産の方やつわりがひどい方もいますし。私も今妊娠中なんですが、つわりがひどくて苦労しました。

――――診療を行う上で心がけていることはありますか?

比嘉

私はこの仕事は接客業だと思っています。学生の頃に接客業のバイトをしていたことも関係していると思うんですが、たくさんある病院の中から患者さんがここを選び、そして私の外来に来てくれてよかったと思えるような対応をしようと心がけています。

宮崎

もう、心構えが素晴らしいです。

比嘉

ちゃんとできていたらうれしいです。

我那覇

産婦人科は特に、患者さんの気持ちとして考えたら、医師が同じ女性っていうのも安心ですよね。

比嘉

それは感じますね。患者さんは絶対ベテランの先生方に診てもらった方が本音は安心だろうなと思っていたんですが、わざわざ経験年数の浅い私の外来がいいって来てくれる方がいたんです。その時は本当にありがたいなと思いましたね。女性医師がいいという希望は結構ありますね。

宮崎

それはホントにそうだと思います。

比嘉

ただ、だからといって産婦人科が女性医師ばかりだと、実際には業務が回らないですよね。ライフステージの中でどうしても産休や育休を取るだろうし、実際に私も育休でまた1年休む予定がありますし。婦人科のがんの患者さんの場合は特に、ずっと同じ先生が診た方が絶対にいいと思いますね。そう考えると主治医は男性医師の方が安定していていいんじゃないかな。

宮崎

そうですかね。産婦人科での出産もそうですし、婦人科では患者さんの年齢が幅広くて、若い患者さんの場合は親御さんも特に心配されると思います。その辺は常にこまやかな配慮を忘れないようにしていますね。

比嘉

それはとても大切なことだと思うな。我那覇師長は何か心がけていることはありますか?

我那覇

患者さんが本音を言えてるかなという点ですね。ちょっとした痛みとか不安は、「ナースコールは鳴らさなくていいかな」という遠慮があると思うんですね。自分が入院した時も「看護師さんたちがすごい忙しそうだな」って気を遣っていたので、お世話をする側が業務に追われて忙しい態度を出さないよう気を付けています。

比嘉

患者さんに距離が近い立場だからこその視点ですね。すごく勉強になります。

――――ご自分が子を持つ親であることは医療の現場でどう生かされていますか?

宮崎

夫として親として、患者さんの心情をより深く理解しやすい気がします。うちの子は、1人目は初期研修中に生まれたんですけど、その時は自分が産婦人科を回っている時じゃなかったので、比嘉先生に取り上げていただいて。立ち会いをしたんですが、もう本当にすごい感動しましたね。それがきっかけで産婦人科に決めたというのもあると思います。

比嘉

2人目のお子さんは自分で取り上げたんだよね。

宮崎

はい。ただ、2人目は前置胎盤でリスクがあって、途中までは僕が診て、ハートライフ病院では扱えないケースで別の病院に移り、最終的にまたうちに戻って来たので、なんとか自分で取り上げることができました。この世で一番初めに我が子に触れられるなんて、産婦人科医にしか経験できないことですよね。

我那覇

そうですよ。本当に感動的な瞬間だと思います。

宮崎

家では今でもよく、「下の子はお父さんが取り上げたんだよ」と話すんですが、上の子には「なんでボクは取り上げてくれなかったの?」と言われちゃいますね(笑)。

比嘉

私が取り上げちゃってごめーん(汗)。

一同

(笑)

比嘉

そういえば、宮崎先生はあれから前置胎盤の患者さんやご家族への配慮が深くなったよね。

宮崎

そうなんです。妻が入院している2か月間は子どもと2人きりの生活で、仕事をしながら子どもの世話もしていたので本当に大変でした。だから切迫流産の患者さんだけでなく、ご主人に対してもすごく気持ちがわかる。その上、コロナで出産の立ち会いができないとか、忙しくて外来にもなかなか来られないとか。そんなお父さんたちのもどかしい気持ちを汲み取って、優しく接したいなと思うようになりました。

――――医療従事者は忙しいイメージがありますが、仕事と子育てや家事などのワークライフバランスをどのように取られていますか?

我那覇

私は育児が上手な母親ではないと思います。ただ、家に仕事をできるだけ持ち帰らないこと、家では子どものことだけを考えて、いつも見てるよとか話を聞こうという姿勢は大切にしています。子育ては1人ひとり違うので、自分の価値観を妊婦さんとか患者さんに押し付けるようなことはしませんね。ただ、お母さんたちのがんばりや悩みはすごく共感できます。

宮崎

ハートライフ病院はめちゃくちゃ働きやすいです(笑)。子供の急病で休まなければならない時もすごく理解してくれるし。

比嘉

ハートライフ病院には病児保育があります。少しの熱なら預かってもらうことができるので安心です。あとは私のつわりがひどい時やお腹が張ってしんどい時も、上司が産婦人科医なので言いやすいし理解してもらいやすいです。

宮崎

比嘉先生のところは夫婦でハートライフ病院ですよね。

比嘉

そうそう。夫は循環器内科ですごく忙しいんですけど、ハートライフ病院産婦人科は子育て医師でも働きやすいと思います。これからパパやママになることを考えている研修医にはおすすめの職場です。育休や産休も取りやすいですよ。

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