きらきら 創刊号

思い出に残っている

患者さんとのやり取り

――――急性期病院なので、毎日たくさんの患者さんと出会っていると思いますが、これまでの勤務の中で印象に残っている患者さんはいますか?

川平

ちょうど昨日、退院した患者さんがいらして、難病を患っていらっしゃる患者さんで1ヵ月ほど入院していました。入院した当初は、ぐったりとしていて話すのもやっとという感じで、毎日「今日の具合はどうですか?」と声をかけていたら私の名前を覚えてくれました。その患者さんが退院する日は、私は出勤じゃなかったから、前日の夕方「良かったですね、退院できますね」って声をかけて、2人でたくさんおしゃべりしました。最初の経過が思わしくなかったから、ずっと気になっていた患者さんで、退院できて本当に良かったなって思ったし、とってもうれしかったですね。

島袋

私が印象に残っている患者さんは、入職した時にはいらっしゃった患者さんで、初めて出会ったのは1年くらい前かな。切断しなくてはならないほど脚が悪くなってしまっていて、私たちのような新人はできる業務が少ない分、患者さんと接する時間が長いのでお話しする機会はたくさんあって、その患者さんとは趣味やご家族のことなどを話して、だんだんと仲良しになって。最初の頃は歩けなかったので車椅子で移動して、その後はリハビリをすっごく頑張って傷も良くなり、少しずつ歩けるようになって。廊下で会った時も「歩けるようになりましたね」って声をかけると笑顔でお返事してくれました。治療を始めたことでどんどん回復して明るい表情になっていくのがとてもうれしかったなぁ。退院したときは、歩いて帰って行かれて。自分が初めて担当した患者さんだったから元気になった姿にすごく感動したことを覚えています。今でも時々カルテを見返して「元気にしているかな?」と思う時があります。

波照間

私も入職した時には入院していた患者さんのことが印象に残っていて、顔を合わせるたびに「少しずつ慣れてきたんじゃない?成長したね〜」と優しく声をかけてもらって。でも、その患者さんは亡くなってしまって、最期を迎えられた時、まだ意識があったので少しお話ししたんだけど…。1人では何もできず、先輩についてもらいながら担当した患者さんで、かけてもらったいろいろな言葉は今でも忘れられないです。あと、初めて患者さんを看取ったときのことは今でも覚えていて、そのとき、正直どうしたらいいのか分からなかった。病室に入ってこられたご家族が動揺してしまって、混乱しているのを見たとき、心が痛くなってしまって…。誰かにとっての大切な人の死を、私たちも共有させてもらっているんだと強く感じました。看護師だからこそ立ち会えた貴重な時間だったと思います。

川平

私は、担当している患者さんであまり食事を取れない方がいるんですけど、ちょっと食べたら「もうお腹いっぱい」って言って食事をやめちゃって。どうしたら食べてもらえるか、みんなで考えながらケアをしています。栄養剤の飲み物を時間を見つけては患者さんに「飲みませんか」って声をかけて少しずつ飲んでもらって。病棟のみんなで取り組んでいるので、私もチームの一員なんだという結束力も感じています。やっと治療の効果も出てきているので、この調子で患者さんも私たちも頑張っていければいいな。

波照間

あとは、やっぱり患者さんに「ありがとう」って言われたり、容態が少しずつ良くなって食べる量が増えたという時はうれしいよね。夜勤のときに1人で採血を全て対応できた時は「やった!」みたいな感じになるし(笑)。この間も採血が難しい患者さんに点滴のルートが一発で取れた時は「私、やるじゃん!」って自分を褒めてあげました(笑)。日々成長しているとやりがいを感じるよね。

島袋

私は整形外科の病棟にいるので、患者さんの多くは骨折やケガをされた方です。元気に退院してくれるのがやっぱりうれしい。手術してすぐは痛みも大きいけど、3日後ぐらいに自力で歩いているのを見ると、人間の回復力ってすごいってホントに思います。患者さんから「元気?今は何しているの?」って気軽に話しかけてくれるので、毎日患者さんと顔を合わせるのがとても楽しいです!

基礎知識を再確認する3ヵ月フォローアップ研修

 入職3ヵ月後に行われるフォローアップ研修は『仕事に対する不安を取り除き、意欲的に仕事に取り組める』ことが目的です。研修では「報告・連絡・相談」の大切さや手指衛生の正しい手順を確認。また3ヵ月を振り返る話し合いでは、先輩看護師のレベルの高さを感じ、自分もそうなれるように頑張りたい!といった感想が聞かれました。